Shower of Lights

在ロサンゼルス日本国総領事館から
「同時多発テロから15周年を迎えるにあたり,商業施設等での民間人を狙ったテロ行為にご注意ください」
とのメールが届きました。

あれから15年…
9.11は、私の人生を根底から変えるきっかけとなったイベントです。

かつての私は「人生とは自らの手で切り開くものだ」と固く信じていました。
この国ではどんなことでも自分次第。努力すれば必ず報われる。
ところが、同時多発テロによって、この信念が一気に崩れ落ちました。
一生懸命頑張って手にしたものでも、外的な要因で一瞬にして奪われる… この命さえも。

テロリストに乗っ取られワールドトレードセンターに突っ込んだ2機目の飛行機は、ユナイテッド航空175便ボストン発ロサンゼルス行きでした。
それは当時私がよく飛んでいたルートでした。
亡くなったフライトクルーは私と同じロサンゼルスベースの同僚達…
私がその便に乗っていてもまったく不思議はなかったのです。

日本からの電話で知らされ、TVを付けるとまさに2機目がビルに突っ込んで行くところで、
「Oh My God! Oh My God!」とアナウンサーがうわずった声で繰り返していました。
映画のような映像にすぐには何が起きているのか理解できず、ただただ画面を見つめ続けました。
気付くと身体の震えが止まらず、涙も止まりませんでした。
翌日もその翌日も、翌週もそのまた翌週も、日に何度も身体が勝手に震えました。
そして夜中に何度も目が覚めるようになったのです。

以後私たちクルーは、フライトの度、死を意識するようになりました。
乗客の誰も彼もがテロリストに見えるのです。
密かに制服のポケットにメロット(氷を割るための金槌)を忍ばせたり、ペッパースプレイを隠し持ったりする同僚もいました。
笑顔でのサービスは消え、私たちは乗客の一人一人を監視するようになりました。
何もかもが永遠に変わってしまったのです。

そしてそれは、長期にわたるエアラインの暗黒時代の幕開けでもありました。
空の旅を恐れ乗客が激減するという二次災害が起きたのです。
戦争が始まると景気はますます後退して、次々と大手エアラインが経営破綻して行きました。
弊社も例外ではありませんでした。リストラ、給与カット、退職金の廃止、さまざまな苦水を飲まされました。
本当にあの日以来、何もかもが変わってしまったのです。

それから約1年半、私の情緒は普通ではありませんでした。
ちょっとのことに怯え、ちょっとのことに涙した時期が終わると、今度は喜怒哀楽の感情が消えて行きました。
楽しいも悲しいも感じられないモノクロ-ムのような世界が長く長く続きました。
そんな鬱状態のまま、何とか取り繕って生活していました。

そして奇跡の朝がやって来たのです。

1年半が過ぎたある日…
目覚めると白い光のシャワーが突然、私に向かって降り注いで来ました。
眩しくて目も開けられないほどの明るさ。
光は私の全身を照らし、体の奥にも深く浸透して行きました。
そのときの至福感を、どのように表現していいものか…
私は絶対的な愛の中にいました。

それはほんの数分間の出来事だったような気がします。
しかし目を開けると世界は一変していました。
モノクロの世界が色彩豊かな世界になっていたのです。
何を見てもキラキラと輝いていました。
そして体内は愛のエネルギーで満ちていました。

私が初めて体感した奇跡でした。
後にあるサイキッカーが「それはCosmoc Momentと言うのですよ」
と教えてくれました。
見えざる何か〜Something Great〜を受け入れた瞬間でした。
天に「委ねる」生き方の始まりでした。

9.11の奇跡…まだ続きます。
その話は、また次回。

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